平成8年第3回葛飾区議会定例会一般質問

(1)本区の公共図書館の図書の検索システムの改善と学校図書館の機能の
      充実について

 去る6月の第2回定例会で、我が党同僚の丸山議員から、インターネットを活用した「行
政情報の提供サービス」について、様々な提言も含め質問がありましたが、今回私は、同じ
くインターネットの最近の技術的進歩の動向から見て、それらの成果の採用が現在の本区の
サービス事業、なかんずく図書館の情報検索サービスの改善に直接的に結びつくのではない
かと考えるようになったのであります。
 具体的にどのようなことかと申しますと、例えば、情報の集積が過度に進みますと、利用
者の立場からは、情報の量の多いか少ないかが問題になるのではなく、必要な情報に如何に
スムーズにたどり着き、それを取得できるか、と言うことが大事になると言うことでありま
す。インターネットでは全世界のサーバーコンピューター上にある無限大と言って良い大量
の情報にどのように効率的にアクセスするかという課題から、情報を検索するソフトウェア
ーが急速な発展を見せています。特に全文検索機能を持つソフトウェアーの進歩はめざまし
いものがあります。日本はおろか、全世界中にあるサーバー上の全ファイルの中を調べて、
自分が指定したキーワードが何処にあるかを示してくれるサーチエンジンを使ってみると、
その素晴らしさが実感できます。情報を検索すると言うことがこれほど容易に、かつ瞬時に
出来ると言うことは、明らかに一つの情報処理の革命と言えます。
 こうした機能を利用して、いまアメリカでは、図書館にある図書をデジタル化し、その全
文の情報をコンピュータで検索できるようにする計画が進んでいます。すでに一部では試験
的に運用されているようですが、これがもし本格的に稼働すれば、紙で作られた本を貸し出
すと言う図書館の機能が革命的に変化すると思います。こうしたことは、日本では、まだ計
画されていませんが、いずれ実現する時代が遠からず来るでしょう。
 しかし、いまのところ、そこまで進まないまでも、日本でも図書情報の検索システムは確
実に進歩しつつあります。今日私が申し上げたいことは、図書館として、利用者へのサービ
スの改善は、蔵書数の増加や施設整備の充実も大事ですが、それと同時に、利用者が必要な
図書情報に如何に早く、かつ適切な情報にたどり着けるか、そうした優れた情報検索システ
ムを整備することもより大切ではないかと言うことであります。換言すれば、私は、今後の
公共図書館は、蔵書数などハード的な部分よりも情報検索サービスなどソフトの部分で利用
者の要望に応える時代を迎えると考えますが、如何でしようか。
 さて、そこで、本区の図書の情報検索システムに改善する余地がないかどうか。具体的に
触れてみたいと思います。
 現在本区の公共図書館で利用されている検索システムは「はてな君」というソフトですが、
すでに運用開始して5年が経過し、ディスプレー上で指で文字を指定して入力するというイ
ンターフェースの良さから、利用者に馴染まれています。しかし、検索機能が満足できるも
のであるかとなると、最近のより進歩したものに比べると、やや物足りないものがあります。
 例えば、「はてな君」は書名と著者名で図書を検索できる機能を持っていますが、コン
ピュータの性能が低く、データベースの容量も少ないため、保持している書誌情報量に限度
があります。そのため@検索項目数に限定がある。A各項目の文字数に限定がある。B人名
典拠コントロールをしていない。などの問題があります。
 実際に使う立場から言うと、著書名や著作者名をコンピュータに登録されているように正
確に読み、かつ、入力することは案外難しいことです。何故なら、利用者は、正確には知っ
ていないからこそ、検索システムを使って本をさがそうとしているわけです、もともと求め
る本の書誌情報を正確に知っていれば、何も検索システムを使うことはなく、直接、カウン
ターで本の貸し出しを申し込めばよいわけです。もう一つ問題があるのは、最近の検索シス
テムの傾向は自然語検索が主流になりつつあり、将来この傾向はいっそう進むであろうとい
うことです。
 これは具体的にはどういうことかと言いますと、例えば、「葛飾区議会」について知りた
いと思った人が、図書館に行って関連する本を探すとします。現在の「はてな君」を使って、
どのように関連する本にたどり着けるでしょうか、この場合、著者を特定するのは困難です
から、著者名で探すのは難しいでしょう。しかし、だからといって、登録されている正確な
書名を入力することは、関連する書名を知らない人にとってはこれもまた大変なことです。
つまり、現在の検索システムは、非常に限定された指向の範囲で特定の図書を探すという場
合に補助的に活用されるものです。それに対して、前述した「葛飾区議会について知りたい」
と思ったら、その言葉自体を入力して、該当する図書を検索するのが、自然語検索です。こ
れが可能になるためには、各図書の書誌情報の中にその図書の「要約」情報が付属している
必要があります。
 こうしたシステムは、すでに開発され、インターネット上では一部試験的に運用されてい
ますが、やがては公共図書館の検索システムでも一般的なものになるでしょう。
 いま、にわかにそうしたシステムを導入することは、財政的な面からも難しいものがある
と思いますが、当面は、最低、次のような条件を満たす検索システムに改善すべきであろう
と訴えるものであります。

@現在葛飾図書館が使用しているコンピュータ用データベースは、1024バイトの固定長
データですが、これを可変長データに変更すること、
A書誌データに内容細目をつけ加えること。
これにより、蔵書の内容の概要を知ることが出来ます。
B人名典拠コントロールを行うこと、
これにより、著者名が正確に入力されなくても検索できるようになります。

 聞くところによれば、現在の葛飾図書館のデータベースも、だいぶ旧式なものになってし
まったために、いずれかの機会に、最新のものに改善すべく、部内で検討が進められている
とうかがいますが、是非とも将来の動向を踏まえた利用者の立場に立ったものになるよう最
善の努力を来したいと思います。
 そこで改めて、今私が申し上げた点について、本当に実現する決意に立っていただきたい
ことを申し上げ、見解をうかがいたいのであります。

次ぎに関連して、学校図書室の機能の充実についてお尋ねします。

 公共図書館とともに、もう一つ考えなければならないのが区内の小中学校の学校図書室だ
と思います。学校図書室を整備しなければならないことは言うまでもありませんが、実態と
しては、本区の学校図書室は、図書の蔵書数、新刊本への更新の頻度、図書室のスペースや
設備など、いずれをとってみても、年々充実されているとは決して言えない現状です。
 考えてみれば、子供達を取り巻く社会的環境は急速に変化しつつあります。特に、最近は、
子供向けのテレビ番組や少年少女向けの雑誌などのメディアを通じて子供達は今までにない
多様で刺激に満ちた情報空間に生きています。この事実を我々は先ず、深く理解する必要が
あります。その上、受験勉強のために塾や習い事に忙しかったり、ファミコンに象徴される
大変面白い遊び道具に取り巻かれていると言う事実も忘れてはなりません。
 こうした子供を取り巻く、情報環境が大きく変わってきている中で、学校図書室はここ
20〜30年どのように変わってきたのでしょうか、残念ながら質的には全く変わっていな
いと言っても過言ではないと思います。ただ多少蔵書数が増え、図書室が広くなったことは
あるかも知れません、しかし、子供達が図書室に言ってみたいと思うほど魅力がある場所に
なったとは、とうてい思えません。何故でしょうか、理由は単純です、情報空間としての機
能が極めて劣っているからです。これはある意味で仕方のないことです、現在のような紙で
出来た本を、限られた図書室のスペースの中に蔵書して、子供達に本を貸し出すと言うだけ
では、現状の機能をこれ以上改善することは難しいのではないでしょうか、
 考え方を改める必要があります。私は、今後の学校図書室の機能として求められるものは、
理想としては公共図書館とリンクして、図書検索機能を学校図書室でも使えるようにするこ
とだと思います。つまり、公共図書館のデータベースを共有することが出来れば、学校図書
室はその瞬間から、公共図書館に準じた機能を持つことになります。
 しかし、これは財政的な問題もあり、今すぐ実現することではないかも知れません。けれ
ども、それを代替する機能を提供できるソフトも開発されているのも事実です。現在本区で
も、各学校にパソコンが整備されていますが、その使い方については、いずれもコンピュー
タ室に設置し、学習活動に直接活用できる方向が模索されています。私は、それに加えて、
コンピュータを学校図書室で活用する方途を検討してみる必要もあると思います。
 最近開発されている学校教育用書誌データベースは、学校教育に関連する図書の全文検索
機能を持っており、これを設置することにより、学校図書室の機能を質的に改善し、公共図
書館と擬似的にリンク出来る可能性を秘めています。従前はそうしたデータベースのために
学校図書室にパソコンを導入するするという考え方にはなかなか立てなかったために、一般
的ではありませんでした。しかし、今では先にパソコンが導入されてしまい、その後、どの
ようなソフトを使うべきか検討する始末で、ものごとの順序が逆になってしまいました。い
ずれにしても、学校図書室の機能を充実させるためには、パソコンや学校図書検索データー
ベースソフトの導入は不可欠であることを強く訴えて起きたと思いますが、教育長の率直な
見解をお聞かせいただきたいと思います。