平成11年11月29日

平成11年第4回葛飾区議会定例会代表質問

都区財政調整問題についての質問

 お許しをいただきまして、私は、葛飾区議会公明党を代表して、先に通告した都区財政調整問題について、区長並びに関係部長に対して、質問するものであります。

さて、来年西暦2000年は、ビックバンに象徴されるような、経済の分野での、エポックメイキングな年であるだけでなく、地方政治の面でも、大きな制度改革がスタートする年でもあります。

すなわち、来年4月1日から、介護保険制度のスタート、地方分権や都区制度改革に伴う新たな都区関係や新財調制度のスタート、そして、清掃事業の23区への移管とそれに伴う財源協議など、いずれを取っても、地方政治史に特筆される大きな出来事が始まります。それが図らずも来年四月に集中するわけで、区政史上、かつてない大転換期に直面しているとも言えます。

更にその上、従前から先送りされ、懸念されていた東京都の財政危機がいよいよ表面化し、このままでは赤字再建団体へ転落必至ということで、東京都は、ついに既存の施策の見直しに手をつけざるを得なくなったことも、大きな出来事です。

いずれにせよ、従前の制度や社会的仕組みの改変を伴うわけでありますから、それに関係する機関や当事者は、重大な関心をもって事の推移を見守っているわけであります。我々もまた、区政に携わる立場から、現行の都区間の制度改革伴う協議の動向、なかんずく、財政協議の推移に、大いに注目しているところであります。

特に、現在の財源問題についての都区協議の内容は、場合によっては、来年度は、まともな予算編成も困難になるのではないかと言った、23区にとって、実に険しい状況であると認識しておりますので、ことさらに、我々にとって目を離せない状況にあると思います。

そこで、議論の前提となる、現下の状況について、少し触れておきたいと思います。

現在、都区間の財政協議の背景として、主要な課題としては、四つの事柄が絡んでいると思われます。

先ず第一は、先般の地方自治法の改正と都区制度改革に伴う、新たな財調制度の創設、特に大都市事務とは何か、を明瞭にして、新しい都区財源調整の基本を作らなければならない事情にある事、

第二に、清掃事業の23区への移管伴う、都から区への当該財源の移譲の協議が不可避であり、これによる財源協議が必要な事、

第三に、国保の調整条例廃止伴い、従来の都交付金が無くなる事により、それに代わる新たな財源を何処に確保するかについて、都区協議が必要になっている事、

第四に、介護保険制度の実施とそれに関係する従来の福祉一般施策の見直しにより、東京都は都の福祉財源を大幅に削減しようしており、これにより、23区は一般福祉施策の新たな財源と新たな実施形態を模索していること。

などであります。

もちろんこうした財源協議の前提に、東京都の財政危機と言う問題があるわけで、その上に、こうした税財源問題の見直し要因が複雑に絡み合い、今や協議の先行きについては、全く先の見えない状態にあると言われています。

とは言え、予算編成のタイムリミットは確実に迫ってきており、一日も早く、この困難な都区協議に見通しをつけなければならないことは、言うまでもありません。しかし、その前に、今一度、問題の核心が何処にあるのか、我々23区としては、何を考え、本区としては、今後の財政運営に、どのような覚悟で臨む必要があるのか、などについて、確認をしておきたいと思うのであります。また、あわせて区長の見解を伺っておきたいのであります。

  1. 国保の調整条例廃止伴う財政問題について

    そこで先ず第一に、触れなければならないのが、国民健康保険事業の財源問題だと思います。この問題は、今般の都区財政協議の課題の中では、最も都区間の財政負担の原則に係わる問題でありますが、それさえ協議がまとまらないところに、事柄の深刻さがあります。

     そもそも都区制度改革に伴い、国保事業については、基礎的自治体である23区が当然、保険者の立場で、財源を含めて事業の主体的責任を担うことは当然であります。また、その制度改革の趣旨を強調して、都の調整条例を廃止し、23区固有の財源を以って事業に当たるという意味から、新たな都の補助金制度を前提としつつも、従前の東京都の交付金を一般財源に振り替えることは、当然であろうと考えるのであります。

     ただし、国保事業それ自体が、福祉一般施策とは違って、法定事務でありますから、現行事業執行にかかる事業費を安定的に確保することを前提にした上で、あくまで財源構成の変更をすると言う意味で、都交付金を一般財源化するのが、本来のあり方であると思われます。

     その点で、23区としては、「現行の事業水準を維持するのに必要な一般財源所要額は財調で措置できるよう財調財源配分に反映する」と主張しているのは、あまりにも当然であります。

    しかしながら都は、「都区財政調整は、基準政令に沿った事業運営を前提に、単位費用による標準算定を行う。ただし、当面は従来の経緯を踏まえ、円滑な移行を行うため、各区ごとの算定額は現行方式による算定額と大きな乖離が生じないよう補正を行う」としているのであります。

    これは、東京都は何を言わんとしているかと言いますと、一見、常識的なことを言っているように装いながら、その裏で、実に大変なことを言っているのであります。

    すなわち、現行国保事業費の八分の二に相当する254億円が、現在、都交付金として措置されているのでありますが、これを全廃し、新たに、基準政令に沿った事業運営を前提に、単位費用による標準算定を行い、これを23区に都補助金と言う形で負担する。そして、その補助金は、おおよそ100億円と試算されているのであります。その差引不足額154億円については、激変緩和措置として、3年間に限って毎年三分の一づつ減少させる形で交付し、

4年目からは、交付しないというのであります。

 そのほか、財調算定のあり方についても、基本的考え方だけでなく、標準規模、標準経費、補正係数などの点で、都区間で、様々な見解の相違があります。

こうした中で見えてくるものは、何かと言いますと、現行の都交付金についての財調への振り替え額をできるだけ低く抑えようとする明らかな東京都の意図であります。換言すれば、23区への財源移譲を少なくするため、調整率44%のシェアを増大させるような要因はことごとく排除しようとするなりふりかまわない露骨な都の姿勢が見え見えだと言うことであります。

 

 こうした厳しい協議が1年以上続き、今日なお、合意に至っていないのですから、実に困ったことです。都区いずれの主張に理があるかは、一目瞭然で、東京都は筋の通らない主張に固執して、いたずらに時間を空費している状態です。否むしろ、都は協議を成立させる考えは持っていないと判断したほうが良いかもしれません。

そこで、お尋ねしておきますが、区長としては

,この国保の調整条例の廃止に伴う、新税財源について、どのような見解をもっておられるのか。お尋ねしたいのであります。

また、国保財源の確保について、全般的にどのような見解を持っておられるか

,

また、本区としての取り組み方について、おたずねします。

 

  • 清掃事業の移管に伴う財源確保の問題について

     

    次に清掃事業の移管に伴う財源確保の問題について、おたずねします

    今般の都区制度改革の中で、規模・経費等が一番大きいのが、言うまでもなく清掃事業であります。その移管協議については、清掃事業の実務的な協議については、ほぼ着実に進んでおられるようであります。先の第三回定例会において、23区清掃一部事務組合、および清掃協議会関係議案が23区それぞれで成立し、目下、来年4月1日設立に向けて、準備が進んでいるようであります。

     毎度申し上げることですが。23区、そして地域住民の立場に立った身近な清掃事業が行われることを願ってやもません。どうか清掃事業に携わる関係者の一層の努力をお願いしたいと思います。

     そうした実務協議に比べて、全くと言って良いほど進んでいないのが、清掃事業の財源についての協議であります。すでに都側が提案している清掃事業移管経費は1060億円、一方、区側は、1960億円と試算しており、約2倍近い開きがあります。

    ところで、我々23区側から見た、清掃事業財源移管問題の原則は何かと申し上げるならば、23区は全く新たに清掃事業を実施するのでありますから、現に東京都が実施し、そして、移管することとなる部分の施設・人員、そして財源を過不足なくそのまま引き継ぎことであります。いやしくも引きついた事業に財源措置が不充分であったり、後年度に財源不足が生じることがあっては、決してならないのであります。また、当初の見込みと差異が生じた場合には、速やかに調整協議が行われるようルールを明確にしておく必要があると思われます。

     こうした原則さえ確認できれば、後はたんたんと個別事業費を積み上げれば、おのずと結論が導き出されるものと考えていたのでありますが、事柄はそう単純ではなかったようであります。

    ここで、何がこうした大幅な数値上の差異となったか、少し触れて見ますと、こうした違いが生じた最大の理由の一つがゴミの発生量の将来予測であると言われています。

     例えば、収集・運搬経費では、経常的経費については、平成12年度から17年度までの試算額の平均値で算定することについては、都区間で一致しているものの、都側はゴミの発生量の減少率を平成6年から10年までの減少率の単純平均から3.2%と見こみ、これから毎年2.92%の割合で収集・運搬経費が減少すると試算しています。

     一方、区側は、ゴミ量は減少傾向にはあるものの、過去のゴミ量と経費の相関関係を加味し、経費の減を毎年、0.41%と予測しています。こうしたゴミ発生量の減少予測の違いが、処理経費の中の経常的経費の試算の上では、数十億円の差異となって表れてしまうのであります。

     こうした、ゴミの発生量などは、単なる予測の問題であるのですから、実際の数値が明らかになった時点で、然るべき時期に再試算して、財源調整すれば良いのではないかと、素朴に考えるのでありますが、どうなのでしょうか。

    そして、もうひとつ大きな考え方の相違点が、処理経費の中の投資的経費の内訳である施設整備費であります。処理経費の中の投資的経費は、区側試算では6ヵ年の平均で、毎年約140億円、このうち施設整備費は約100億円にのぼるとされています。ところが都側はこれを移管経費に含まず、別途都市計画交付金で措置すると提案しています。

     こうした、都の提案は全くの筋違い、お門違いもいいところであります。確かに都市計画税の歳入が2200億円にも上り、そのうち100億円しか23区には交付していないのは事実であります。ですから、別途、都市計画や都市基盤整備のための財源として、清掃事業とは関係なく、より多くの部分を23区に委譲しなければならないはずのものであります。これはこれで、現在、都区制度改革推進委員会で検討協議中でありますが、選りによって、この都市計画税の税収の一部を清掃工場の建設や改築経費の特定財源にしよう言う東京都の考え方は、本来の税の趣旨を踏み外した東京都の全くの、ご都合主義以外の何物でもありません。しかも、国会の審議の中で、移管に伴う経費は基準財政需要額に参入すべきだと自治省も見解を示しているのであります。

    私は、こうした都の見識のない主張には強く抗議すべきだと考えますが、如何でしょうか。区長の見解をお尋ねしたいと思います。

    そして、都側は何の目的があって、投資的経費を基準財政需要額に算定するのを嫌がるのでしょうか。問題は、その理由であります。私が思うに、その理由はただ一つ、財調三税の23区への配分率を引き上げたくないということではないでしょうか。この点、こうした都の考え方を、区長はどうように判断しているか見解をお聞かせ願いたいと思います。

    それから、もうひとつ大きな差異が職員費の算定であります。

    試算にあたって平均値を取って算定する考え方は都区一致していますが、都側は派遣職員に限定し、区側は清掃に従事するすべての職員を対象にしているところであります。また、都の主張には、区長部局に配置される予定の管理部門職員あるいは清掃事務所の管理職約150人を排除して算定しているところであります。

     その他、単価にしても、財調の標準給ではなく、モデル給である第二標準給を設定することでは都区一致していますが、その元になるモデルが都区では違っています。都は18歳から昇任・昇給を加味して860万円という標準的な給与を想定していますが、区側の主張は18歳で採用されるケースは稀であるという実態を踏まえ、26〜27歳で採用されることを前提に、給与を930万円と考えているところであります。また、都は、職員数については、一定期間の退職者数を控除し、最大値と最小値を求め、その平均値7140名と算定しています。一方、区側は、過去に都が補充してきた平均補充率57%を踏まえ、8108名と算定し、最終的に人件費の算定について、都区間で約130億円の差が生じているのであります。

     その他、退職手当、都の既発債償還費などについては、都が直接負担すると言う考えを都側は示しているところであります。都区制度改革の趣旨を踏まえ、また特に、23区が都の内部団体ではないと言う点を強調する意味から、一旦はすべて区が歳入し、しかる後に事業費として歳出すべきであると言うのが、23区側の公式の立場でありますが、いずれも都区合意にはほど遠い現状であります。

    こうした様々な算定上の考え方の違いが、積もり積もって、最終的に都側が1060億円、23区側が1960億円と約、900億円の違いになっているのであります。一見して、あまりにも数字上の違いがありすぎると言うのが、私の第一印象であります、理屈の上の協議だけでは、とうてい合意に至り難いのでは、と言う感じもするのですが、区長はこの違いをどう認識しているのか、率直な感想を伺いたいと思います。

     さて、このように清掃事業の移管経費の算定が都区間では、倍も開きがある現状の中で、来年4月1日からの実施に向けて、財源協議を、この先、何処の場で行うかと言えば、例年の財調協議の場で行う以外にないわけであります、換言すれば、協議が整わないので、やむを得ず、全ては、財調協議の場に委ねる以外になかったと言えるかもしれません。しかもそのタイムリミットは、例年の通り、来年1月下旬と言うことになるのでしょうか、そうしますと、理屈の上での合意は、ほぼ期待できないわけでありますから、後は、納得できないものの、都区双方が致し方ないと思う落とし場所を探ることになるのでしょうか、実に日本的な、足して二で割るような処理をするのでしょうか。区長としては、どのように考えているか、率直な見解をお聞かせ願いいたいと思うのであります。

     そして、もし具体的に数字を挙げるとすれば、清掃移管事業経費による23区への財調配分シェアは、財調三税の総額を1兆6千億円として、1%で約160億円ですから、都の算定に基づけば、現行44%から、6.6%のアップ、23区側の算定によれば12.3%のアップということが予想されます。さすれば、恐らくこの間か、若しくはこの前後の、何れかの数字で決着がつくのかも知れません。

     しかし、私は、予想されるこうした決着に少なからず、疑問を持つものの一人であります。

     つまり、都側は清掃移管経費の算定に際して、一貫して、ゴミは減量し、経費は減少するという考え方で主張を変えていません。23区も、ゴミは減量することは踏まえつつも、それは、これまでのリサイクルの進展、事業系ゴミの有料化などの背景があったからであり、平成17年までの間にも過去の推移が、当てはまるとは限らないと主張してきました。これらは、なかなか難しい予想です。

     また、清掃工場の建設やダイオキシン対策のための設備の改善・更新についても、一件あたり、100億円、あるいは200億円、300億円と言う巨額の経費を、大きな変動要因に満ちた中で、財源を安定的に確保し、配分するのは、技術的にもかなり難しい作業であります。現在23区が主張する考え方も、それが最善であるかどうかは、必ずしも確証されているわけではありません。

     従って、都区双方が全く経験したことのない清掃移管経費の算定を、全く誤りなく予測し、計上できると期待するのも、些か無理があると思います。

    むしろ、実際に実施してみて、その実態を踏まえて、その都度微調整を繰り返すことをルール化するのが最も自然であると考えるのでありますが、如何でしょうか。

    しかしながら、この種の財源調整では、財源配分が一旦スタートするとそれが前提となって、既成事実化し、途中での変更が大変困難になるのが現実であります。

    ですから、途中での再協議を前提としつつも、政治的現実としては、やはり、スタートが肝心であること言わざるを得ません。従って、私は、23区としては、都区間の合意は、これを急がないと言う姿勢が、むしろこの際には、大事ではないかと考えます。

     それは、都とは容易に妥協しないと言う強い姿勢を示すだけでなく、あまりにも変動要因が多い清掃事業移管経費の算定については、協議が整わないものについては時間をかけて、実態を見極めるまで、引き続き協議を続けようとする方が、かえって誠実な行政姿勢を示すことにもなると思うからであります。

    ともかく、財調協議が1月下旬に整わず、時期が遅れても、決してあせらず、必要な清掃移管関連の都区協議を、その後も続けていくべきであることを強く主張したいと思いますが、区長の見解をお尋ねするものであります。

  • 介護保険制度と従来の福祉一般施策の見直し問題について

    ところで、来年度の本区財政を考える場合に、都区制度改革関連の他に、忘れてはならないのが、実は、東京都の一般福祉施策の見直しの影響についてであります。都の見直し自体は、介護保険制度の実施に依る部分もありますが、第一義的には、都の財政危機がその背景にあります。

    そして、都は、去る11月8日、福祉事業、10事業、396億円の削減を目指す概算要求ベースの予算案を取りまとめ、発表しました。この福祉10事業の削減は、ざっと見ただけでも、都民生活に与える影響が極めて大きいと考えられるのでありますが、そうしたシビアな予算であるにもかかわらず、なお、要求ベースで4100億円の財源不足であるというのですから、このうえ更に、要求ベースを切り込むということになれば、一体どんな深刻な福祉関連予算になるのか、本当に気がかりであります。

    23区区長会に対しても、都から説明が行われたと聞いていますが、区側は、どのような見解を持ち、都側に何を要求したのか、また青木区長としては、こうした都の概算要求にどのような、印象を持っておられるか、率直な感想を伺っておきたいのであります。

    今後の日程としては、普通であるならば、都は、本年第四回都議会定例会に関連条例案を提案し、更に、来年にかけて最終予算案をまとめ、来年の第一回都議会定例会に、関連条例案、そして予算議案を提案することになると思われます。従って、この都議会第四回定例会で、どのような議案が提案されるか、大変注目しているのであります。

    ところが、その後、伝えられるところによりますと、都議会側との調整がつかず、第四回定例会ではなく、全て、来年の第一回都議会定例会に、関係条例を提案すると言うことで、調整が進んでいると聞いているのでありますが、事実はどうなのでしょうか、区長としては、この点について、どのような情報を得ているのか、お聞かせ願いたいと思います。

    都が最終的にどのような福祉事業の見直しを実施するかは、決定するまで、今後様々な過程があり、今日の時点で、それを即断するとは出来ませんが、しかし、大局的には、今回の見直し案に沿った形で議論が推移すると考えておくべきだと思います。

    そして、もし、本当に都議会第一回定例会に見直しの条例案や予算案がいきなり提案されるようなことになったら、それこそ大変なことであります。23区側の予算編成や条例の改廃に重大な支障をきたすことは目に見えており、区政運営に大きな混乱が生じることは必至であります。そうした自治体間の信義と前例を踏み破る抜き打ち的な事業の見直しを、東京都が意図しているとするならば、これは、断固阻止しなければならないと思います。

    区長は、ことの重大性を理解し、23区側との慎重な協議を行うよう都に、働きかけるべきだと思いますが、決意の程を伺いたいのであります。

     言うまでもなく、問題は、こうした都の福祉事業の見直しに対して、本区としては、どのように対処するのか、その基本的な姿勢と考え方について、検討が必要であります。

     わが党としては、介護保険制度との関連で、高齢者対する福祉一般施策の一部に見直しが必要になる部分生じている事は理解しますが、子育て支援に関連する乳幼児や障害者のための施策の見直しについては、到底理解できないのであります。

    従って、23区として、都民生活、また区民生活に重大な影響のある福祉事業の見直しについては、23区及び関係諸団体、そして、何よりも住民世論を尊重するよう、都に対して強く求める必要があると考えるところであります。

    23区としての、都に対する特段の働きかけする必要があると思いますが、如何でしょうか。区長の見解を伺いたいのであります。

     ところで、もし本当に、都が福祉施策を見直し、関係する財源を削減する事になったと仮定したならば、本区としては、一体どのような対処が可能なのでしょうか。

    都の福祉事業の見直し計画が具体的になった場合に、多くの場合、財源を区が全面的に負担し、都に替わって、それを実施する事は、不可能です。また、上乗せ的に実施している施策についても、当然のことながら、見直さなければなりません。

     しかし、政策的な配慮から、青木区政の特色を出す上から、区として、新たに実施することが望まれる場合もあると思います。いずれにしても、23区の他区の実例や区議会の判断も十分に踏まえて、対処して欲しいことをあらかじめ、申し上げておきたいとおもいますが、如何でしょうか。区長の見解を伺っておきたいのであります。

  • 都区制度改革に伴う新たな財政調整制度の協議の内容について

     次に都区制度改革に伴う新たな財政調整制度の協議について、うかがいます。

    今回の都区財調協議の背景にある最大の懸案が、昨年の自治法改正による、新たな都区制度の実施に伴う、新財政調整制度を巡っての協議であります。この件については、都区間で、鋭意検討が進められてきており、今年の3月30日

    に、都区制度改革推進委員会税財政検討会ワーキンググループから「税財政制度改革に関する平成10年度の検討結果について」と題する報告書が第16回都区制度改革検討委員会に報告されています。

     この文書が、公式には最新の都区協議の結果をまとめた唯一のものであります。この文書に基づき、難航する都区財政協議の何が問題なのか、我々23区側としては、いよいよ平成12年度の財調協議を始めるにあたって、改めて確認しておきたいと思います。そして、また、前述した国保や清掃事業の移管問題とあわせて、平成12年度以後の予想される本区の厳しい財政運営について、区長の見解を質したいと思います。

     さて、報告書は重要な、二つの事柄について報告しています。すなわち、一つは、税財源の都区間配分に関する事項であり、もう一つは、区間配分に関する事項であります。

    都区間で最大の懸案であった事柄は、言うまでもなく、いわゆる「大都市事務」の範囲の特定であります。改正自治法では、その  条に「都は、特別区の存する区域において、市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて、都が一体的に処理することが必要であると認められる事務を処理する」と規定されています。つまり、本来特別区に属する事務でありながら、東京と言う大都市の特殊性から、東京都が特別区に代わって、これを実施している事務。これを大都市事務と言うわけですが、この事務の実態を特定することが、新財調制度を作る場合、どうしても必要になるわけであります。つまり、大都市事務の財源が調整三税のうち、都の配分シェア相当額と言えますから、都はこの大都市事務の規模を大きく特定したいし、23区側は、少なく特定したいということになります。

    結論から言うと、都区双方が現行事務をそれぞれ分類し、過去10年間の大都市事務の決算分析を行ったのであります。都区それぞれの大都市事務の需要額を積み上げ、調整三税を除いた大都市財源を充当した後の特別区側の財源不足割合は、都案では39.4%、区案では48.5%という結果になったようであります。このように9%以上差異があったのでは、とても調整してすり合わせることは不可能で、そのまま都区双方の主張を両論併記する形で、取りまとめられました。

     そして、その後の協議は、都区協議会に委ねられたわけですが、ご承知のように、清掃移管経費の協議さえ合意できないような状態では、大都市事務の範囲を特定する協議が進むわけもなく、棚上げされたままで、今日に至っているようであります。

     また、もう一方の課題である区間配分については、報告書では、概ね次のようにまとめられています。

    すなわち、結論から言えば、都側と23区側は見解が完全に一致することはなかったようですが、議論の方向としては、特に都側の委員は基準財政収入額や需要額の算定に際して、今回、都区財政調整における総額補填制度と納付金制度が、特別区の財政の自主性、自立性を高める観点から廃止される趣旨を踏まえて、基礎的地方公共団体間の公平かつ安定的な財政調整制度として、いっそう地方交付税制度の運用及び算定内容に準じ、簡素合理化を行うべきであると主張しています。

     これに対して区側としては、今日まで、算定方法の改善を行ってきた経緯を尊重しながら、地方交付税の理念と具体的な算定内容を特別区の状況に適合させる現実的な視点から見直しを行うべきであるとしています。

     つまり、区側は区間調整の基本は踏まえつつも、従前の算定方法を大きく変えて、算定結果に大きな影響が出るようなことは避けることで、概ね一致しているように思われるのですが、実際のところは、どうなのでしょうか。

     さて、報告書自体が大変専門的で

    ,かつボリュームも相当なものですから、内容について細かな議論をするよりも、率直な印象を先ず申し上げるならば、都区間の財調協議は、理屈の上では、大変合意し難い「神学論争」のようなもので、私は、当面の財源配分に限って、実務的に協議を重ねつつ進む以外にないという感じがするのでありますが、区長はどう認識しておられるのでしょうか。

     

    その他にも、地方分権一括法による地方自治法の改正に伴い、区長委任条項による都知事からの区長への事務委託に関する財源措置の扱いなど、今後の調整協議が必要になっているものもあります。

    いずれにしても、以上触れた、国保の調整条例の廃止による新たな財源調整、清掃移管事業経費の財源措置、福祉施策の見直しや、地方分権関連の財源措置、そして何よりも大きな新たな都区財政調整制度の創設など、都区間で協議しなければならない財政調整は、あまりにも多く、かつ、今のところ、何一つ合意に至っていません。それでも、来年4月からの事業の実施に向けて、一定の仕切りをしなければならないわけであります。まともに考えますと、気分が悪くなるくらい、不透明で、困難な状況にあることを、今更のように痛感します。

    結局は、全てを、ひと括りにして、理屈を超えたところで、何かを決めることになるのでしょうか。

    何度も申し上げますが、23区は、安易な合意を急ぐべきではないと思います。最悪の場合は、都区の財源協議が不調のため、来年度当初予算の一部が、仮に骨格予算的なものになることがあったとしても、都区制度の将来のために、必要な都区協議は勇気を持って継続していただきたいと思います。

    区長の特段の決意をお示し願いたいと思います。

    まとめ・都区財協議の現状から見えてくるもの

    さて、これまで、現在の都区財政調整協議のついて、様々な角度から、実状に触れ、区長の見解を質して参りましたが、こうした都区協議の現状から何が見えてくるのかについて、すなわち、来年度予算編成や今後の区政運営にあって、何を心して進まなければならないか。私見を申し上げ、区長の率直な見解を求めたいと思います。

     と言うのは、協議や交渉と言うのは、所詮、相手のいることですから、こちらの主張がどんなに正しくても、それを言い貫けば協議が成立すると言うものでもありません。今、東京都は、筋の悪い言い分を盾に、ガードを硬くして、身を守ろうと必死に身構えている状態にあるとも言えます。

    いずれにしても、何処かで、仕切りをしなければならないわけですから、23区側が不充分な形で、妥協をしなければならない場合も、ないわけではないと思います。もちろん最善の努力はするわけですが。

     そして、協議を取り巻く、客観情勢は、実に厳しいものがあります。我々議会側もまた、その厳しさを率直に認識し、来年度予算編成に備えなければならないと思います。

     聞くところに依れば、本区の来年度予算について、要求ベースですでに140億円の財源不足、表現を変えれば、歳入に対して予算要求が140億円も多かったとされています。これは、清掃事業を算定していない状態で積み上げた数字、ということですが、現在、都区協議中の案件を全て予算に計上した場合、計算上は、財源不足の状態は改善するのでしょうか、それとも、財源不足に、更に輪をかけることになるのでしょうか。

     今、拙速に判断は出来ませんが、私は、財源不足がより深刻になる可能性が、高いのではないかと危惧しているのであります。

     いずれにせよ、都や他区をどうこう言う前に、区長がすでに公表している経営改革宣言を早期に完全実施すること、そして、本区自らの自助努力で、この未曾有の困難な時期を乗り切る以外にないと訴えて、区長の見解を質すものであります。

     そこで最後にお尋ねしたいことは、経営改革宣言に基づく、取り組みの進捗状況如何ということであります。

    本年4月、平成10年度の「葛飾区経営改革の取り組み」についてまとめた報告書が公表されました。これは、昨年10月の経営改革宣言の発表以来、10年度中の区としての取り組みをまとめたものであります。また同時に、この中に、平成11年度以後の経営改革の推進についても触れています。

     そこで改めて、平成11年の本年は、こうした経営改革の取り組みがどのように進んできたのか、目標を達成しつつあるのかどうか、伺いたいのであります。

     内容としては、第一に、10年度に策定した、改善策の実施、第二に、本年度の第三次事務事業再構築見直し、第三に、実施計画の見直し、第四に、受益者の適正負担の推進、第五に、組織及び職員定数の見直し等を掲げているところですが、特に、3年間で5%の削減目標を掲げた職員定数などは、どのような進捗状況にあるのか、具体的にお示し願いたいのであります。

    以上で質問を終わりますが、答弁如何によっては、再質問をさせていただきます。


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