平成10年第2回葛飾区議会定例会本会議代表質問
地方自治法の一部改正と都区制度改革について
お許しをいただきまして、私は葛飾区議会公明を代表して、先に通告しまし
た「地方自治法の一部改正と都区制度改革」について、区長の見解を質すもので
あります。
先ず、はじめに、
区長としては、今回の地方自治法の一部改正をどのように認識し、評価して
いるのか、区長の率直な見解を問いたいと思います。
さてこの度、我々23区関係者が長年にわたり、取り組んできた自治権拡充
運動の大きな成果として、今第142回国会において、地方自治法の一部改正案
が可決成立いたしました。これにより平成12年4月1日より、いよいよ23区
は基礎的な地方公共団体として、新たなスタートを切ることになるわけでありま
す。
ともかく、長年にわたりこの自治権拡充運動に携わってこられた全ての関係
者と共に、この度の地方自治法の改正を、先ずは、素直に喜び合いたいと思いま
す。
しかしながら同時に、法改正の趣旨をふまえ、我々23区は、今まで以上に
自立的、自主的に、住民自治の進展に大きな責務を負うべき立場に立つわけであ
り、大いなる緊張感を感じざるを得ません。
特に、税財政面では、近年の税収の伸び悩みや特別減税の実施などによって
、区の財政運営は、かつてない厳しい局面を迎えており、特別区が都の内部的団
体という性格を払拭する中で、財政自主権の強化と言う大義名分を標榜しつつ、
如何にこの難局を乗り越えるか、我々の責任は、実に重大であると言わざるを得
ません。
そして、23区のそれぞれの区の財政運営の厳しさの程度も、最近では二極
分化が言われれており、今回の法改正に伴い、更にその差は拡大することになる
場合があるかもしれません。財政規模が安定的に拡大する時期ならまだしも、は
からずも戦後最大の経済不況のこの時期に、税財政制度の改革をする以上、それ
に伴う摩擦も、小さくないと覚悟しなければならないと思います。
折しも、自治法改正に伴う清掃事業など、新たな42の事務の委譲だけでな
く、地方分権推進法に関連する特別区への事務の移管、そして介護保険法の施行
に伴う新たな制度の実施など、平成12年4月実施を予定した諸事業の準備が、
この2年間に一気に集中するわけで、その意味では、まさに「嵐の中の船出」と
も言うべき、今回の自治法改正であります。
ともかく、我々議会関係者も執行機関側も、法改正の趣旨をふまえ、真に実
りある地方自治の発展のために、今後とも努力しなければならないところであろ
うと思います。
省みれば、23区の自治権拡充運動は、昭和22年の地方自治法制定当時か
ら、自治法上では、基礎的自治体と規定されていながら、実態としては、当時の
中央集権的な都行政に、実質的な自治権を奪われていた23区が、自治法の精神
を現実の上で実現しようと、始まったのが、この自治権拡充運動のそもそものス
タートであると言われています。
そして、昭和27年の自治法改正によって、従来より、23区の自治権の大
幅な後退があり、23区は都の内部団体と規定され、特別区側はこれに反発して
、自治権拡充運動は、大きな盛り上がりを見せるに至ったわけであります、その
後、39年の改正により、23区の事務の範囲は若干拡大されたものの、特別区
の事務を自治法上に列記したものに限定的に認めるという考え方は変わりません
でした。
そして、昭和49年の改正では、市の事務について、自治法上で特別区が処
理する旨を特に定めないものは東京都が処理することとしていた考えを逆転して
、原則として特別区が一般の市とほぼ同等の事務を処理することとされたのであ
ります。この昭和49年の特別区の自治権拡充は、大都市東京における地方制度
の考え方を大きく変えたものと言われています。更に昭和50年から区長の公選
制が実現したのも、ご承知の通りであります。
しかし、地方自治制度上、なお、特別区は一般の市町村とは異なり特別地方
公共団体であり、事務調整条例が示すように、都の内部団体的な性格が残され、
基礎的自治体としての性格が曖昧なまま今日に至っているのであります。同様に
都も広域的自治体としての性格が曖昧で、都区の役割分担が不明確、特別区の自
主性が不十分との問題が指摘され、我々23区側も更なる自治権拡充運動を今日
まで続けてきたところであります。
その間、昭和56年8月には、特別区政調査会は「特例市の構想ー特別区制
度の将来」を答申したり、昭和61年2月、都区協議会「都区制度改革の基本的
方向」で、都と特別区の役割分担についてまとめられ、昭和49年の改正で、な
お、都に留保されている一般廃棄物の収集・運搬に関する事務等について、でき
る限り特別区に委譲することが適当だとしたのであります。
更に、平成2年9月、第22次地方制度調査会の「都区制度改革の基本的方
向」で、さしあたり、住民に身近な行政で移譲が可能なものは、出来るだけ特別
区の事務とするとともに、大都市行政の一体性確保の要請に配慮しつつ、特別区
の自主性、自立性を強化する方向で都区制度の見直しを行うこととし、都区協議
会の方向で行くべきだとの結論が出されたのであります。
そして、今回の自治法改正の考え方の基本は、自治省の国会での答弁によれ
ば、「今回の都区制度改革は、第22次地方制度調査会の答申にのっとり行うも
のでございますが、同時に、東京都と23区の要望にのっとり行うものでありま
すので、改正案の立案にあたりましては、基本的には平成6年に東京都と特別区
が合意した都区制度改革に関するまとめ、いわゆる協議案でございますが、その
内容におおむね沿ったものでございます」と説明している通り、特別区の自治権
拡充運動の成果をふまえたものであるといえます。
またその法改正の内容にしても、「基本的には、財政自主権の強化をはじめ
とする特別区の主体性、自主性の強化と言うこと、また清掃事業など住民に身近
な事務を特別区の方に委譲すること、それと合わせまして、基礎的地方公共団体
として特別区を位置づける、いわば三つの事柄を一体として、改革を行おうとす
るものでございます」と、これもまた、自治権拡充運動の理念をふまえたもので
あることを、自治省も認めたところであります。
この意味におきまして、長年23区側が取り組んできた自治権拡充運動の大
きな成果がここに結実したと、言えるのではないかと思います。
この自治法改正が実現した今、区長としては、どのような感想を持っておら
れるか、率
直な見解をお示し願いたいと思います。
次に、
自治法281条の二の(都と特別区との役割分担の原則)については、現状大
都市事務の実態に即して考えると、妥当なものと判断するや否や。と言うことに
ついて、区長の見解をお尋ねします。
今回の地方自治法の改正で、最も注目されたのが、実はこの281条の二の
条文であります。もともと現行の都区制度、特に特別区が都の内部的自治体であ
るとの法的性格は、集約的に言えば、旧281条各項に規定されていました。従
って、特別区を基礎的自治体として位置づけるには、この旧281条の条文を修
正する必要があるわけで、自治省は、一体どのような修正条文を示すのか、大変
注目されていたところであります。
然るに、改正案では、(都と特別区との役割分担の原則)として、新たに28
1条の二を作り、都と区の役割を明示することで、特別区の基礎的地方公共団体
としての性格付けを定義するという形を取っています。これは示されてみれば、
なるほど当然なことで、特別区の性格を規定すると言うことは、都の法的性格を
規定することでもあるわけであります。
すなわち、281条の二で、第一義的に、先ず都の自治的性格として、「都
は特別区の存する区域において、特別区を包括する広域の地方自治体」として規
定され、その処理すべき事務は、都道府県が処理すべきものとされている事務、
及び特別区に関する連絡調整に関する事務のほか、「市町村が処理すべきものと
されている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性
及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要
であると認められる事務を処理するものとする」として、都の自治的性格を明示
しているのであります。
つまり、簡単に言えば、都を特殊な大都市事務を処理する広域の地方自治体
と規定したわけであります。
そして、それ故に、その反照として、特別区の自治的性格は、同281条の
二の2項で「特別区は基礎的な地方公共団体として、特別区の存する区域を通じ
て都が一体的に処理するものとされているものを除き、市町村が処理するものと
される事務を処理するものとする」と定義しているのであります。
我々としても、現下の都区の事務執行体制や社会的実態に鑑み、特殊な大都
市事務の存在を否定するつもりは全くありませんが、また立法の手法として、当
然であるとは言いながら、単に特別区の法的位置づけを修正するだけでなく、都
及び区の役割分担にまで踏み込んで、首都の自治的性格の原則を示し、結果とし
て特別区の性格を規定するという、大変包括的な処理を行った自治省のその見識
については、率直に評価したいと思います。
また、特別区が「基礎的地方公共団体」となれば、その廃置分合又は境界変
更の規定が281条の三以後に、条文として示されるのは当然であり、また更に
、この結果として、区長委任条項である現行281条の3第3項及び第5項を削
除するに至ったことも当然であります。
次に
改正後の282条の二(都区協議会)の法的性格、権能を区長はどのように理
解しているか。についてお尋ねいたしますが、
当然のことながら、現行282条第1項の事務調整条例規定が廃止されまし
たが、一方、都区協議会の規定はそのまま残ることになりました。都が広域的地
方公共団体として、特別区の区域内の大都市的事務を引き続き処理することにな
るのでありますから、当然と言えば当然であるようですが、都と特別区の関係が
改めて、明確に規定された改正以後は、現行の都区協議会と改正自治法施行後の
都区協議会では、自治法上の規定は同じでも、法的性格やその権能及び政治的役
割は、従前とはおおいに異なるものになるのではないかと考えるものであります
。具体的には政令その他協議に委ねられるにしても、その内容におおいに関心が
あるところであります。
そもそも、今回の法改正のベースになった第22次地方制度調査会答申であ
る「地方制度の改革に関する答申」や都区協議会案では[282条の2第1項で
定められている都区協議会は、常設であるが必要性が少ないので、都区財政調整
のための協議会に再編し、その他の都と区等との連絡調整は、252条の2の規
定による一般の協議会制度を活用する]としていました。こうした考え方の背景
には、都区協議会の法的性格が今一歩分かり難いこと、そして、都区協議会での
協議結果と、そこに参加する各基礎的地方公共団体の執行権と議会の議決権との
関係が常に議論の種になると言う懸念をあらかじめ排除しようとする意図があっ
たと思われます。
実際、都区制度改革についての都区協議会案では「現行の都区協議会は都区
間及び特別区相互間の行財政運営の調整的な機能を有し、都知事の諮問機関的な
性格を持っている」として、建前は協議機関、実態は諮問機関という関係を認め
ているところであります。
しかしながら、今回の法改正でも、地方制度の改革に関する答申の精神がほ
とんど盛り込まれた中で、唯一留保されたのが、この都区協議会の規定でした。
この点は、区長としてどのような認識をお持ちであるか、率直な見解をお尋ねし
たいところですが、
私が言いたいのは、改正後の都区協議会は、特別区が基礎的な地方公共団体
として、性格が明示された以上、つまり協議会の構成メンバーである都区それぞ
れの法的立場が従前とは、異なってしまったわけでありますから、新しい都区協
議会は自ずと、従前とは質的に異なった、共同の協議機関としてのより一層重要
な政治的立場、権能を保持することになるであろうと言うことであります。
この点については、自治省は国会の答弁でも「都区協議会のあり方につきま
しては、これまで以上に、特別区の意見が協議に反映されるようにということで
、組織、あるいは運営のあり方を検討すると言うことでございます。これは都と
区の間でもお話し合いがされているようでございますし、私共もその方向で検討
を進めることが良いことだと思っていますので、その方向で進めたいと思ってい
ます」と説明しているのであります。
つまり、自治省自身も、従前の都区協議会と、新しい都区協議会では、組織
、運営のあり方を特別区の意見がより反映されるような方向へと改めるべき、と
しているのであります。これらの解釈に素直に従えば、私は、新しい都区協議会
は、法改正の趣旨から言っても、自治法252条2の普通地方公共団体の協議会
に限りなく近づくべきと考える者の一人でありますが、如何でしょうか。
しかしながら、こうした自治省の見解が示されているにもかかわらず、肝心
の都区協議会内部の協議の中で、協議会の組織や運営のあり方について、検討さ
れている旨の報告が一向にされていないのはどういう訳でしょうか。他に優先し
て協議すべき事項が多く、まだそこまで進んでいないと言うことかもしれません
が、早急に検討課題とすべきだと思います。
重ねて申し上げますが、都区協議会の今後の運営にあたっては、特別区側の
意見が十分反映されることはもちろん、各区の執行権、また議会との議決権を十
分ふまえた運営を求められると思うがどうか、区長見解をうかがいたいのであり
ます。
そして、都区協議会の設置要綱、運営方針などについては、都区協議会で協
議決定するものについては各区議会の同意を得るくらいの慎重さを持って欲しい
と思うがどうか。あわせて区長の見解をお示し願いたいのであります。
第4に
自治法282条(特別区財政調整交付金)について、特別区を基礎的な地方公
共団体と規定している以上、調整三税は、本来特別区の固有の財源と考えられま
すが、然からば、財政調整交付金を交付するという条文の表現は必ずしも妥当と
いえないのではないかと思うがどうか、ということについてお尋ねします。
今回の改正の重要なポイントの一つが、282条で特別区財政調整交付金を
法定したことだとされています。この点について、国会審議において自治省は、
この趣旨は、「法律上にそれを明記することによって、特別区の財源確保を明確
にして、財政運営の安定性を高めるもの」と説明しています。ところで、一方、
調整財源である調整三税の性格について「これらの税は、一般市町村におきまし
ても基幹的な税でございますし、それから特別区民にとっても基幹的な税と言え
るものでございます。また、都区財政調整制度を通じまして、特別区の行う住民
に身近な事務の財源にもなるものでございまして、そういう意味では、特別区の
固有財源的な性格を持つものと考えています。」と調整三税の性格を説明してい
ます。
然からば、特別区の固有財源の性格を持つ三税を、特別区が課税せずに、何
故に都が課税権を持つのかと言う点については、同じく自治省は「今回の改正に
よりまして、特別区は基礎的な地方公共団体とされるわけでありますが、一方で
、改正後におきましても、消防、上下水道等の事務が法令によりまして、都に留
保されることになります。それから交通事業など通常は市が行っている事務は、
今後とも引き続きこれも都が行うと言うことになっております。
税制の面におきましても、市町村民税の法人分、固定資産税、特別土地保有
税の調整三税のほか、都市計画税、事業所税等は、都が課税する特例はこれを維
持することになっております。」と答弁しています。」
つまり、調整三税の性格を特別区の固有財源的性格を持つとしながらも、都
がこれを課税するというのは特例であって、従前の経過や税源の偏在、課税実務
上の実態に配慮して、当面、その特例を継続すると言うのが、自治省の判断のよ
うに解されます。
しかし、調整三税が特別区の固有の財源であると言う性格をより強調すると
言う意味からは、純粋に理論的に言えば、特別区間の水平的財源調整を行うこと
を前提として、調整三税等を特別区がこれを課税し、その一定額を、大都市事務
や本来特別区が処理すべきものの中で特例的に都が処理をしている事務に相当す
る財源として、都にこれを交付するという考え方もありうると思うのであります
。
私は、だからといって、現行の都がこれを課税するという処理を否定するも
のではありません。私が言いたいのは、現行の都区関係における調整交付金と改
正後の都区関係における交付金では、基本になる都区関係が変わるのですから、
法改正の趣旨を貫徹しようとすれば、この点に対する配慮を条文の上で明確にし
ても良かったのではないかと言うことであります。
特に、せっかく都区財政調整交付金を新たに法定化するというのなら、少な
くとも、「交付金」と言う表現については、別の表現を用いるとか、新たな解釈
を付け加えるとか、一考して欲しかったと思うのは、私一人だけではないと思い
ます。
この点についても区長の率直な感想をうかがっておきたいと思います。
第5に
ところで大都市事務とは何か、大都市事務の妥当性、誰がどのように判断す
るのか、この内容を決定する際にも、都区協議会の協議結果について、各議会の
同意を求めるくらいの配慮が必要ではないのか。という点についてお尋ねします
。
財政調整制度の運用にあたって、問題になる概念の一つがいわゆる「大都市
事務」と言われているものの内容と範囲であります。
これは282条第1項で、「都は、特別区及び特別区相互間の財源の均衡化
を図り、並びに特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、政令の
定めるところにより、条例で、特別区財政調整交付金を交付するものとする」と
していますが、
この本意はどこにあるかと言いますと、一方で、281条の二では、都の処
理すべき事務として、「2条第4項本文において市町村が処理するものとされて
いる事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統
一性の確保の観点から当該地域を通じて都が一体的に処理することが必要である
と認められる事務を処理するものとする」しています。
つまり、本来市町村が処理すべきであるが、大都市地域と言う特殊性から都
が一体的に処理する事務としての大都市事務、またそのための財源として、本来
、市町村の固有の財源である調整三税等から、その一定割合を都が収納し、残り
を特別区間の財政調整を行いつつ、23区に交付すべき調整交付金のするという
のが、これらの条文の正当な理解であろうと思います。この法の建前と条文の表
現の違いは前述しましたから繰り返しませんが、
いずれにしても、財源の調整割合や額を決定する際に、「都が一体的に処理
する大都市事務」をどのように特定するか、大変大きな問題になると思われれま
す。
この点については、すでに都区協議会及び内部の税財政幹事会等で検討が始
まっていると聞いていますが、一体どのような協議が始まっているのか、具体的
に明らかにしていただきたいと思います。
これらの問題は、23区の今後の財政運営にとって非常に重大な問題であり
ながら、制度的には、我々議会側としても、当面は都区協議会での協議を見守る
しかない状態で、協議会のメンバーを信用しないわけではないが、どうのような
方向に進むのか、はなはだ心配であります。
そこで、協議の経過については、逐次、議会に報告すると共に、最終段階に
おいては、単に報告だけではなく、議会の承認を要するような取り扱いをすべき
だと思うがどうか、区長の見解をお示し願いたいのであります。
6番目に
都区制度改革について、庁内の執行準備体制をどのように整備し、また現に
進めているのか。そして、区民に対する周知と理解を求める努力をどのように進
めるつもりか、具体的に明らかに願いたいと思います。
今回の法改正に伴う特別区への事務事業の委譲問題ですが、これは現在のと
ころ、清掃事業を含めて、全部で41事業あるとされているようであります。尤
も中には、本区が直接実施する必要のないものもあるようですから、実際にはも
っと少なくなることも予想されています。その主なものは、清掃事業のほかには
、教育委員会関連事務、保健所関連事務、都市計画法関連事務などのようです。
これらの移管協議は、すでに都区協議会、また関係の23区主幹課長会など
で協議が進んでいるもの、あるいは、いまだ協議や検討が開始されていないもの
など、移管準備状況は様々です。また、庁内にも、去る5月18日付けで葛飾区
制度改革実施本部が設置され、それぞれ担当者を中心に移管受け入れ準備のため
の協議が始まったと聞いています。
今の時点では、関係者の精力的な協議と執行体制整備のための努力を期待す
るしかありませんが、ともかく、平成12年4月実施と期限が決められており、
時間的にも平成11年度前半には、おおよその目処をたてなければならないわけ
でありますから、極めて短時間で準備を終了しなければならないと言えます。し
かも、清掃事業のように、関連する政令の公布を待たないと都区協議もなかなか
進められないものもあるようで、決して安心していられる状況ではありません。
こうした状況を考えると、我々議会側も相当の覚悟をもってこれにあたる必
要があると思われます。
更に、大事なことは、区民の方々に今回の自治法の改正と都区制度の改革の
趣旨を理解していただく必要があるわけで、この点について、区としてはどのよ
うな対処を考えているのか、区としての考え方をお示し願いたいのであります。
7番目に
この後、引き続き地方分権法に関連し、特別区への事務事業の移管問題に対
して、どのような準備態勢を整えるつもりか、見解をお示し願いたいと思います
。
自治法の改正もさることながら、一方で、もう一つの大きな課題である地方
分権法に関連する事務事業の移管問題がこの後、差し迫っていることも忘れては
ならないと思います。
本年6月には、国会に地方分権推進の最終勧告が提出され、東京都では7月
に地方分権推進大綱が発表されるとうかがっております。国への最終勧告がなさ
れれば、当然、機関委任事務が自治事務と法定受託事務へと二分され、いずれも
地方公共団体の事務への移管が進められる方向で、地方自治法の一部改正が俎上
に上ることになります。都区の場合は、前提として、特別区を基礎的地方公共団
体へと自治権を確立する都区制度改革が先行していたわけでありますが、これが
今回実現したわけでありますから、いよいよ地方分権を受け入れる法的基盤が整
ったことになります。
地方分権推進計画も、いずれも平成12年4月施行でありますから、この二
つの大きな制度改革が、同時に一時期に集中するわけで、その移管準備協議は、
ますます佳境を迎えることになります。
今回、庁内に設置した制度改革実施本部も、当然、こうした地方分権推進計
画にからむ事務事業の移管も視野に入れていると思いますが、どうなのでしょう
か。
区長の決意のほどをお示し願いたいと思います。
8番目に
自治権拡充、都区制度改革問題は、自治法が改正されれば、それで良しとい
うことではなく、住民自治の本旨を行政に生かし、区民に、より信頼される区政
を築くために関係者の不断の努力が求められるところであると思います。
従って、自治権拡充運動は、今回の自治法改正を以て目的を達成したのでは
なく、いまだその過程にあるとの認識が必要であると思いますが、如何でしよう
か。区長の見解を質したいと思います。
以上、私は、地方自治法の改正と都区制度改革問題に絞って、区長の見解を
お尋ねしました。その意とするところは、今回の自治法の改正は都区制度の歴史
の中で、おそらく数十年に一度の大改正であろうと思うこと、そして、都区制度
改革の一つのエポックとして、かならず後世に語り伝えられるものであろうと思
うのでありますが、そうした中で、今、はからずもこの時期に巡り会った我々2
3区関係者が、特別区の自治制度の充実と発展のために、この時期に何を思い、
自治法改正をどう認識していたか、それを明らかにすることによって、将来の更
なる自治権の拡充に資することを期待するからであります。 どうかその意味で
も、区長の率直な答弁を期待して、質問を終わります。
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